<1082>

 ひとつ呼吸する

 ひとつめで呼吸する、

 さあ、

 現在限りこの軽やかな音(ね)を聞いておるのは誰だろう、、

 いくつもの湧き立ちにもたれてこの音(ね)を聞いているのは誰だろう、、

 あくがれより新しくなった、、

 わたしはただに膨らんでいるはずだ、、

 まばたきに時間を合わせて、

 どこまでも膨らんでいるはずだ、、

 現れてゆく場所が多くなり、

 同じ場所を濃くしてしまう、

 ここは何回重ねても大丈夫なのだ、、

 感覚が感覚で揺れている、、

 まどろみのなかで誰かは止むのだろうか、

 止んだあとでまどろみならあれだと指を差せるのだろうか、

 わたしは訪れているのだろうか、

 困惑する時間から汗だけ滑って落ちていってしまった、

 誰が止むのだろうか、

 わたしは増え過ぎておかしいのではないか、

 からだは重なるのではないか、

 あるリズムの繰り返しは新しいものかどうか

 ぼぅっとしてくる

 なにとはなしここへ触れてくる

<1081>

 大きな声、

 夢に違いない、

 増えている、、

 順調に動く

 重ねる、、

 ヒ、

 同じヒ、

 燃す

 意識

 二言目には意識

 突然何事も黙り込む

 過去集む

 なずむ

 ひらたいヒ 

 ひらたいヒのなかに、

 所狭しと熱

 ひとり燃え上がり

 集む

 機械的な感覚

 笑う

 時がかかる

 赤らめる 

 惑う

 放り出されたもの

 あばれうま

 呆然とする

 誘われていると話す

 こちこちになる

 ひらく

 怒涛のもの

 すみやか

 差し出される

 困惑しているしかない

 流れる

 ま、棲む

 ひとりかたまる

 間違いと意識と

 同世代人

 ニュートラルポジションへ

 同じ衣装で 同じ身振りで

 ややかえる

 振り向いている

<1080>

 今日も 速度を持って 生きていて 手に負えない

 生きていて 速度ながら 今日を持って 負えない

 手になり 記憶になり 手すさび

 まどろみになり 夕べ

 速くなり 速くなり 明日

 明日に居て 揺れないで なにの話

 見えない

 見えないで 今日ながら 負えなくて 生きる

 生きる 生きる 聞こえてく

 夜更け からぜき

 透明に更けてゆく 透明と しびれる

 生きてく 止まってく 更けてく ただのひとり

 ひとりを ひとり 負って 投げて 眠り

 今日に居て はやい 企んでいた

 相当数 相当数 今日

 巻く 巻く 負っている

 出鱈目で 速度で 明日で

 振るう 速度 振るう 匂い

 音(おと)も 今日も 手負い からぜき

 全てが今日の速度になっている

 見えている

 巡る

 今日 明日 揺れる 

 眠る

<1079>

 だれ重なった、おそらく

 ひとしく誰が

 またふと立った、すぐ立った

 そばで誰が、、

 かたまりのなかに ひとむれ、

 ふたむれ、そこで、、

 アトモスフィア、のなかに、まぎれ、

 垂れる、たれか、

 わずか、、過ぎて、

 いくら、、まるめてゆ

 のどに 先に まるごと

 隠れてく 鳴る 胸騒ぐ

 はて たれか

 隠れた たれか

 わずかに あなた

 澄み、晴れて、、ぬると、ぬると、ぬる、

 いつか まどか

 さては また 分けて

 もと 俺か たれか

 全て 全て まわり

 あとの のどの 誰か

 声か 嘘か

 揺りや

 ひとしい一日

<1078>

 そんなこと言われても困ったな

 そんなことをあたしに言われても、一体あたしはどうしたらいいのか、

 それであたしはいつもこうしている、

 だからどうなのかがよく分からないものが溜まっていくので、

 どうにかしようとしてこうしている、

 話すそばから得て 得て 失って

 ただリンガフランカにならないと知って、

 こうしてひとことをぶらさげている、

 勝手に構造からこぼれていって

 こぼれていったばっかりに鳴らなければならないものごと、、

 ひとの話法

<1077>

 こちへうかばんとうえ

 おうい、おい

 こちへ、こちへうかばんとうえどうなさい

 あじゃん、そちこちゆきなさるんか

 ゆかいかん、いかん

 あんだらこちさうかば、またけたいなことあんなさしょうが、

 うかばんことにゃさーしらいでね

 おうい

 おうい、おい

 あじゃん、ええしみたしかたどうれ

 ゆくあてにみさっせ、ゆくあてにみさっせ

 よい、よい

 さかたらんなかばこちよてささらぎたわしたらあ、え

 な、な

 すすいもて、またすい、すすいもて、またすい、すりゃえがば

 あじゃん、きららたまゆかはしてんどの

 な、な、なーさい

 どうれ どうれ

 やとまたわたらしおんもいきたれ、そりゃいでよそりゃそ

 すとしてすとみ、すとさっさばりゃーさい

 おうおうおう

 やあやあや

 またまたまた

 ね、えがしょうえがしょうえ

 

<1076>

 さくる

 さくる さくる

 さくるはなんのきなし

 さくるはなんのきなしながら、

 言葉は援軍であるな

 言葉が援軍でなければ一体なんだろう

 経験はまた言葉たれ

 経験はいまだに意味の通らない言葉で回れ

 意識もただそこで泡立て

 回れ

 あたしは歩速を一(いつ)にする

 かわいた太陽へ静かに座り

 歩速は一である 一にする

 いつもの ただ湿り気のない かわいた太陽へ

 いつになく馴れ馴れしく

 ささやかに回りこめ

 経験よ乾け

 しらぬまに言葉になれ

 言葉になってそこにしゃがみ込み、

 いつのまにあつくなれ

 軽はずみな経験も、言葉も、さわぎも

 軽はずみなかわいた意識も

 ただ黄色い脂汗のもとでさむしく笑め 笑め

 笑め

 経験は脂汗

 (脂汗を長い連続で書いている夜(よる)に)

 へばりついた太陽のなかに、ふざけて溶けてしまうくらい

 あなたは援軍をあやうんでいる

 脂でべとべとになった援軍を

 もうしばらく胡散臭い目で、

 ただぱりっとした言葉で眺めている

 脂汗が茹で上がり極小の太陽の記憶を沈む

 太陽は晴れている

 太陽はめまぐるしい

 わたしの腕のなかでのみ、静かに灼け死ぬ

 言葉と太陽と名前

 おそらくは脂汗としか言えないもの

 経験の援軍的な身振り

 完璧にかわいていたこと

 記憶

 たかれている