<660>

 うたぐり片方と、私たちだけ、内緒、よ、そ、の存在。快調と、言わば快調と、片づけて向こう向き、分かたぬ分かちたい分かれる、その、また明日にでも、ひっそりと息にかかわって、なるたけ長く、なるたけべったり、もうどうしようもなく、もたついて、丁寧、丁寧。謎が足らなくて、瞬間は迷って上向いて、めためたに水が落ち、通せんぼにはいくらかの表情が、含まれていて助かって、いたずらに何かを聞き出したところ、回答ようのもの、まさしく私が泣くだろうところの、そのわずかな隙間から、不安げに、波が飛び出した。わざとであろうか。

「いいえ」

わざとであろうはずのところが、ガタガタっと歯を揺らすだけのこと、そう、それだけ、まとめて訪ねて大袈裟な跡。静かだ・・・。

 片づけられたこと、仕返しを夢見ず、また登る。このごコトコトあたしを裏側から叩く、そう思わないかい? いいや、そう思い出とならずば、あはは、貴重さを笑いとともに、語ったってそう。

<659>

 股のあいだから、顔を出せなかった。苦味はなく、突然現れただけで、何が何やらと順番に身体へ、押し合いへし合いしてくるもの・・・。

「まるで予感していなかったとは思えず、ひととおりやってみないと分からない・・・」

あたまかたまる、またね混ざる。わざわざ届けてくれるものはどれもこれもあたしの態度をざっぶざっぶと揺り回すだけ。そこに、ひとくちの疑問、流され、枠内でのただ若返り。当たり前に思えたものが時間しか探さないので嫌になってしまう。人数にして一体どのくらいへ、回答がかぶさってくるか。

「あたまかたまる、またね混ざる」

人は歩く、すると、何かを言わねばならぬ。人は歩く、とすると・・・。普段通りの力は普段通りのよろめきを、踊りと見かねない。いやむしろ、そこにこそ踊りを見てくれよと興奮していって、うなずきがわざわざ生々しい。当たり前、とともにかたまる窓。

<658>

 内側から覗いている。たかが、たかが私のことだと静かに動き、開いてよ。またうそみたくうごめいてよ。

「回答のひび割れ・・・」

むしろ、眺めるものとて、あたらしく笑う。今では、ふわふわ、と無警戒にも、適当な湧き立ち、大層なうつろい。

「もともと、もとのこのごだって放されなきゃならない、ことがあったのさ・・・」

誰が混ざり、誰がべったりと、なまあたたか、たわみたいこの頃の場所に、残る

「いや・・・」

わざと残る。お願いはいつしか、肌からも剥がれ落ちてゆくのだが、震動に笑い、震動に和み、なかから、うたぐって通さないだろうことと、数多視線、しせん、しせん、しせん・・・。

 かえって、わずかな欲、やわずかな隙、やわずかな膨らみ、がかさなりかけらもかたわらにないので人は、に限らずとも人は、すやすやとその息を・・・。

「いっぺんに息を、ここでくつがえして・・・」

多分目を剥くのだろう動きの事実、ふざけてふるえてくれるのでなきゃ、私には手に余る一瞬間の、ほんのいちさりげなさと出来事。

 数ある振舞いの、巻き戻し直されたそのあとから、順調な、しかしほうけ放題の、またとない節が出る。ひとつでもでりゃ、ふたつでも、なんとでも、ああまたなんとでも言えと言えども、あわただしさ、ただのあわただしさに遭遇して、仰天するだけの、もちろん体力ではあった。ようだ・・・。

<657>

 淡々と、おや淡々と進むものに、ついていったりいかなかったりして、これは暗い、しかし寂しくも、怖くもないトンネルなのだと誰かに語っていて、いや私も誰からかそう聞いていたのだ、から、ともかく歩いた。質問もなく、疲れもなく。

「例えば、重要だと思っていた部分がそれほどでもなく、まとまったひとつの空気、うんともすんとも言わぬ訳ではないものを、なんだろうなんだろうと眺めて、ぴったりとくっついていくことこそ大事」

と。なんだまだ私は分かっただの分かってないだのいうことどもに、こだわっていたのか、あらあら恥ずかしい。長く付き合ってきて、そしてこれからも付き合っていくのだろうということだけが、私に大いに関係のあることだったのだ。途中で動きが久し振りの道を辿ると、思い出されることがいくらもあってなんだ、動揺したらいいのか。しかし、思ったより動じない、でいると、別人に誰よりも近い存在として意識し出す、のだった。

「大切なことがひとつだけあります」

ならもう、言わないでいいのよ。そのひとつだとして、それが徐々にボンヤリして、幾通りにも見えてくることが分かるだろうし、こちらでも分かるから、全然関係のないくだらないことを言えばそれでいいのよ。

<656>

 関心は関心で破れいで、立つとはなしに立つ私。身体を、もっともっとと急き立てて、の後押し。欠け落ちたのは、視点なるほどと、並ぶ声。

 どこかに戻るのでなく、反応が素直に出で、衒わないのだけならば。

「衒わないの?」

素直に出て来すぎだから考えたら、という笑み、いや苦笑いと、

「あっ」

と取る私、あっというポジション。守られて、いや見逃せば、平然と見逃せば良かった、などなどの考えとともにある間、興味という興味が移って移って仕方ない。

 今日誰だろう? まなかから、怖いと判定するひととき。それでなお、関係が、あるのかないのか分からないままで歩き出していることへの、照れ笑い。

「何笑ってやがんだろね」

まででひとセット。

<655>

 ない、無し、ただ、これであるため、ここだけは、精気を、気持ちを失っているように見える・・・。この場に判断はそぐわない、はずなのだ。だから、

「わたくしの目は・・・」

あなたに感情を知らない。何訊ねられるとも知られず、交わせず、交渉という役割を、放棄してでもそこに置く、ただに置く、

「あぶらぎった・・・」

・・・光で満載の、目玉の感情や、判断を信じない。そんな、うねりで濡れたまるい輝きを信用しない。

 肩が、ふるえ、さわぎ、息が、ところどころに漏れてくと、あたら掬い上げるものどももなく、日が、ぐるりと巡る、その様がやたらに離れがたい、ほどに静かであると・・・。

 こんなにきらめきが充分で、随分と動物から、外れてしまったと、してもここには、当たり前が必要だった。当たり前と、それを感じるうるおいなどが・・・誰彼にも必要だと、信じさせられていた・・・。

<654>

 かなり、いつもの、遠慮。これも現在、一言で済む、と、高い難しい、別れ目の前で、蓋し、蓋をあちこちから集め、て、い、る。はねまわっている。

 はねまわっている、また叶っている。何が、何とや、ら次々、次々、肩口、窓にも口があり、一時期、ふた文字、みたか快晴の、ひと吹き。

 またもし、空転が笑顔と並ぶなら、私は、別れを奇妙な懐かしさで迎えるだろう。そのときの振舞いは、いちいち混濁していた雰囲気に似ていて、去るのは全体調にとっての若々しい夢なのだ。あたら感動するものとも、もともと、音とともに去なば、ある、ひと掬いの、夕方までに、ならされた辺りの輝き。

 彼方から数えられなかった挨拶とともにあれかしこい響き。