<1173>

あなたが自然に生まれたのでないならば、 突然の歩行でないならば、 今 なんのためらいもなく揺れているのは、 ようけようけこぼれなすった。はい、どうぞ。 ここからやがて溢れるまま、 転がるままに、ね、ね、 どうですどうです、身を持ちました。 はい、…

<1172>

あけの姿、 まだらに、、 似合わない衣服、 眺めている日 新しい色をした拘束、 どうした、 あんまりあけらかんとしていて方法がないか、 あんまり明るいので度を失っているのか、 ひとひのまだら、 何故だか知らないが、いらいらするほどに綺麗だ。 みだれ…

<1171>

一艘 洋々、洋々、、 呼気の元で僅かに揺れている、、 老人、 ぷかり ぷかり 華やかな街を巡り、 人を訪ねるという、、 いいことでさあ、ねえ、わたしはこうして行ったり来たりしてまさ、どこへ行くったってそんな方向はねえですヨ、ホホ、 巡る、巡る、巡る…

<1170>

量え 量え 打ち下ろす人の波が見えている。 一時(いっとき)揺れている。 人が揺れている。 骨を合わせ、骨を合わせ 相や 相や もの示し、もの示し どうん・・・ 別様、 千度立て、 千度立て、 能、能、一切。 一様、一様、 帆は隠る。 足だに 駆けぬ、足も…

<1169>

明けろ 明けろ 明けたら穂が揺れる。 明けたら また改めて穂が揺れるだろう。 瞠目、静かな匂い。 僅かな時間、 新しい快哉のその、 とびきり美しい笑み、 とびきりたおやかな日の午後、、 ただ流れのなかに浮かび、 ただ一切が望郷で。 望郷のなかの一途、 …

<1168>

生々しい高さからちょっと下を覗いてみようかしら。 環状の道。 ゆくもの、、ゆくもの、ゆくもの。 覗いてみようかしら、、 みようかしら、 ほら、沸騰がゆくわ、、 あら、あら、 明日もなんなんと沸くのかしら、 よぉそれそれ、 そら、見た、見た、見た、 …

<1167>

冷たい音が陸を捉えている。 今や軽々と飛ぶものたちで、飛んでしまった。 時間の外の、僅かな木々が、揺れかかる。 枯れをそばにいれ、枯れをそばにいれ、 冷たい音はひたひたと進む、 誰かが触れていた、 無言で、うんとも、や、ともなく、 縫合した。 め…

<1166>

芯があらわれ、吹き出るように燃え、 しばらく眺めていました。 さあもっと渦を巻かなければならない。 もっと風を送らなければならない。 そうして口をアいたまま、街道沿いの建物の、いくらか上階の、窓辺に新しい火の粉の姿は、ぽつんとありました。 やが…

<1165>

一滴が、ざわざわと、柔らかい香りのなかに落ちた。 暗い時間だった またしても落つ と思われて、いつまでも、一滴以上にはならない 完璧に停止と見える 妙な水色の生命 水色の液体につらりつられ、つられて揺れて 草食体は見ている 動植物体は見ている 青い…

<1164>

陽のない昼下がりに、 応えていたんです。 遠のき遠くの方へ、 ひとがひとりいたんです。 まだ自身の声を知らない、身体の不一致を知らない、ささやかな、招くような姿、、 ふらり、ふらと揺れ、、 お前さまのそばで綺麗に消え、 跡のつかぬ、、 招ぶとすぐ…

<1163>

時々お前が静かに顔を出し、挨拶のひとつでも寄越すんじゃないかと思ってヒヤヒヤしていた。 でもまあ、そんなことはない。 そんなことはなかった。 いいか、よく考えろ、と人は言う。 な、そうだろ、よく考えろと言うんだ。 しかしな、よく考えることとお前…

<1162>

招んだのか、、? 混ぜた、混ぜた、混ぜたのか、 そうか、 んだら踊り出ィ、 どろどろ どろどろ 跳ねたっ 跳ねたっ 跳ねたっ よう道よう、よう内よう、、 さんざばら一切呼吸しょうぞ、 おおどろどろ、おおどろどろ 内ィ~内、内ィ~内、 からから高(コウ)…

<1161>

日時、夢起く。 転がり込む。 さて、いわばいわばどうしたものか。 ものからものへ、 姿から姿へ、 とく、移り移りほどける。 時日、色めく。 裾軽く触れてき、風、風、風。 未生の艶や、跳ね広がる。 えんえんやらや えんやらや 笑い歌われはぜにはぜ、華や…

<1160>

業突く張りの一日。 業突く張りの目。 目は同じ日のあなたを映す。 青い空が回転している。 また新しく、見えないところで何かに浸ってきた。 それが無分別の朝だ。 次の日に出合いぽっと小さく燃える。 朝は燃えかすのなかにも入っていく。 声は何だ、声は…

<1159>

太陽の外にあってひとりまどろんでいる男。 同じ日とはつゆ知らぬ男。 隙間に向け、手を動かしている。 手はお前の名前などは問わぬ。 かたくるしい行列が、 かたくるしい集合が、 いや、ただのかたい身体が。 手はいつも老人であり、子どもがはしゃぐのを見…

<1158>

何の感心があってそう溶けるのです? 震えませんか、震えませんか、 おそらくあなたは真顔だと思います、、 何の感慨もないという顔をしていると思います。 惑う目であらないと思います。 生ぶ毛に始まり、風を割って、 よくゆく、よくゆき、 逸れて、逸れて…

<1157>

次々に溶けていくのです。 歩行の男も、 鐘も、 感じ方も、、 どろどろになっていくのです。 あの羽根の夢も、 香る匂いも、 静かな翻りも、 ただ勘違いの幻であるやもしれません。 そこへ口をただ寄せて、文字もなく、伝達もなく、ゆるい響きをもたらすひと…

<1156>

けぶっていて、前がよく見えない。 穴か 穴か、穴なのか。 車輪の回転、息、身体が重い。 ひそかに繰り返しのなかに入(い)る。 誰だ、誰だ、誰だ、 この道はどこへ響く。 昨日まで何の音もなく静かに沈んでいたところ。 珠を次から次へ送る。触る。 速い。…

<1155>

ひとーー。ひとーー。 騒がしい。 蒸れる。蒸れる。 六月の青い雨、 蒸れる。 かく さなぎの中へ、 かく さなぎの中へ廻り、 蒸れる。 ひとーー。 長蛇の列。 青い青い列の中の瞳。 青い青い老人。 かぐわしくなったろう、身体。 わたしを結んでおくれ。 長…

<1154>

まあとりあえず話してみてください。 そうですか。ええと、、何故論理だけでは間違うのか、ということを論じていくというのは野暮天中の野暮天ですが、まあなんとかやってみましょう。 何もない状態が、まず自然な状態がありますね? そこに言葉を付していく…

<1153>

緑色で、嘘の季節だ。 緑色で、濃く、むせる、嘘の季節を好いている。 男の服も、交わりも、姿勢も、全てが緑色で、途方に暮れていて、繰り返して、テクノが好きで、静かだ。 人口の川が流れる先に、家があって、 緑色の自転車に乗り、 日々を全て身体に付け…

<1152>

良し。 あれよ、あれよというマに、 揺れ連れられてきた。 歩道にけつまずく。 ひとつの風景に帰した。 徐々に、徐々に、揺れはひろがり、 わたしはまた歩きやすくなる。 さんざばら話していた言葉の中を。 ひとつの割れを、 割れを眺め、静かに持ち上げてゆ…

<1151>

路地。 くもる。 慌てて音を出す。 突然雨の意識を持つ子ども。 二人には匂いがする。 眼鏡の隅に小さく映る。 駆け出していく。 明かり、明かり。 呆然とただ陽のなかに入(い)る。 香り、香り、分からない。 傘を振るった。 人、人、地下通路、雨。 微細…

<1150>

日の白い紙を読んでいる。 読んでいる、読んでいる。 水と、流れると、傾き、読んでいる。 あなたが 日毎 読んでいる。 読んでいる、読んでいる、読んでいる、読んでいる。 一杯に詰めた籠、隙間、漏るもの、あわい、日陰にしては日陰、、で読んでいる読んで…

<1149>

陽を触れる。 鋭敏で、鋭敏で。 丸みを帯びて、陽光で、二人で、意識で、晴れで 気まぐれが後の世へひとつ、ひとつと歩を掛ける。 そこに花が咲いている。 ありふれた日の中に過去からずっと伸びている。 ひらく。 歩幅と、湿り、軽やかさ、 後はただの香り …

<1148>

無音の青年が私を覗き込んでいる。 無音としか呼べない姿勢で、 肌を、目を、あるいは振舞いを覗き込んでいて、 また交わす。また混じる。 ひとが出る、退く。 (あるとき僕は葉子になった。しかし生活の全てではなく) 見留めた。根も、姿も忘れ、また見留…

<1147>

なんなむならむ、な、 なそ、、 むにゃらなむななむ、 な、 (七十五の眠り) (七十五の夜) おどろけおどろけ、 ひとつの脳と、 ひとつのお祭り、 麻痺、ふいに目に入る信号と、 当たり前の小枝、過ごしてきた色、 はばかり、隠れ、、 あと一息出だす。 滲…

<1146>

そっぽうへ、 爽やかな背を向け、 からむ、ころむ、よろろぐ、 まず羽根へ よろめきへ 歌へ、 洋々 ひろびろ、 風は名前を過ぐ。 ひとりで立っている。 あるいはわたしの後ろへも。 あらわれあらわれ 眺めやり、 やすらか うたんしょ 遠々 かすみ、 やわらか…

<1145>

見事にもらってしまう。 軽やかにまた道をもらい、 好きに浮かぶ。 かつての名を通り、ひろやか。 もののそばで、影のそばで、、 中心もなくぼんやりとして。 飽くまで全てを昨日にとっておき、、 当たり前に眺む。 明らかでない道も、 昨日から知っているこ…

<1144>

ひとりの人とひとりの人として、なんとか、あいだに約束事を挟まぬままに付き合いを続けられないものだろうか。 社会的な約束事は抜きにして。 ある程度以上親密になれば、社会的約束事を挟むようにそれとなく唆され、受け容れれば結果としてそのなかに閉じ…