<850>

いわば突然に、いわば曖昧に、あらたしく湧き出てきたもの、そのひとつぶ性は、枠内で全力を駆けている。 私は湧き難い、剝落するものの思想を見ていた。語りは、悲観論ではない。 私をリズミカルに先取るもの。疾走性と、その対(つい)の、空白地帯の哄笑…

<849>

指で得(ウ)、もしくはスライド、行儀、的意識の一本目。揺れ‐通す‐揺れ。もしくは休憩時間。 ために意図、細長い、流れ出かけ、ぶん回し。おいそれ・・・。道楽時(ジ)、遊蕩無視あるいは複雑な管(くだ)。 回転道路への静かな眼差し、おそらくは臨(リ…

<848>

靴磨き:靴を磨きましょう。 旦那:何で? 靴磨き:どうということもありませんが。 旦那:あそう。いくら? 靴磨き:へへ。 旦那:へへじゃないんだよ。いくらなの? 靴磨き:いくらでも、まァ、どうぞ。 旦那:何だそりゃ。まァいいや。 靴磨き:靴を買う…

<847>

声が能天気に、その場へ置かれたように思う。しかしあのあたしの気恥ずかしさ、場所という気恥ずかしさへ、静かに、また不意に散じてしまったあの声の、向こう側へ・・・。 速度が私を追い越してしまったっきり・・・。例えばその無言が、膨張する身体(しん…

<846>

瞬きの多様性。連続写真の速度、枚数量から考えて、この無音表出は何だろう。誰かが、黙ってしまった、訳ではなかった。 お隣のお隣はよく見えている。しかし、その隣は、そのまたもうひとつ隣は・・・。 点滅。赤さは騒音にならない。その無言、無言の騒ぎ…

<845>

過去。見立て。等しく、人、意識の駄洒落。骨盤理解。日々、踏み足。足色(あしいろ)、歩調のif。歩調の異? 符?(キョロキョロ) 脱皮。あるいは日めくり。メトーデ(目と腕)。大抵、私の態度。その別人歩き、共通の穴ぼこ性。穴ぼこ性のなかの、たしな…

<844>

無数、ユ、宇、とても。かげの気味。かげのスクラブ。よいしょ。膨大人(ジン)、ひろ、ひろ、満つ、ド、揉(も)・得(え)。 誘惑町(ちょう)。伝染りょ、リョリョ、緑(りょく)? 緑道人(ジン)、愉悦。 ふうぃ、ふぃ、どぅ、力(りょく)、力(りょく…

<843>

敏(びん)。ひとつぶ鳴いた。ユ、振るい、知られず、待ち、イ、見し、青(あお)。 正常線の呟き、環状びより。入(にゅう)と得(え)、入り違い、ひといろの来(コ)し、ひといろの陳列。ゴソゴソとする、ノ、ばら、ばら、ばら。道知(どうち)、ど、儀礼…

<842>

疾走の無方向的、時の賛歌、それは音人(びと)。 転び人(まろびと)意識、それの、全方向的拡大。 駆けし火、結わい、にいずれ、瞠目、とろみ、シ、財。 ゆんでの視(ミ)、ひらめき、媒体、交換よりの、日(ひ)、支(シ)・・・。 遠目イな物体、時(ジ…

<841>

点々、として、いる。機微。機微声。スタジアム。点滅。ふと、レーサー。一応スピード的。仰ぎ、ハッ・・・ッッと。信号、角度、照り、照り・・・。 (・・・ヤ)。 これは。確かめた、十三年前、私の前、雪・・・。静か、風、位置のさみしさ。揺れ、側(そ…

<840>

刻む。刻み、日差しのもとめに沿う。俺以前のはためき、謎からむ窓、窓人(びと)たりリズム。リズム通過性、の嵐。ぐるうぶ、ぐるうびんぐと意。意、たり、また歩めど。 私(わたくし)日(び)衝突劇。衝突と同数記憶。またその日の中、ス、回転。 嫌たら…

<839>

とおん、と、言う、私、のなか、頭から。彼もし、彼もしも、切断話法、おとの法、たくらみ的あいだのなかに移行する私、ス、横目。例えば凝視、懐かしい視線の有無。突如名づけられた、もの、顔、新しさ、不明の。 てきはきと、ここで知る、急ピッチ、内面の…

<838>

ひとつの影びたしの行方。話の招待に二人の惑い。似た身体(からだ)から夢へのさそい。さそわれまたふたつの点滅。赤い光の中で跳ねたひとつの裸体。ラ的、ラ的リズムのいざない。 優等級の轟音。それ、シ、シの呼び、呼ばい声。明らかなあなたの背中。それ…

<837>

おれの声が漏るひとつの露(つゆ)だとしようよ。それは通過、通過。今響くように、見ていたものを見ている。鳴き声、まさか、このタイミング以外で起こらない。 「気づかなかったか?」 はて、何を差すと思う? 指だとして、どこを見ると思う? そのとき、…

<836>

継ぎ穂。継ぎ穂。無理の漏れ、マ、から悲哀。悲哀路(‐ジ)の行き先から見て、かくなる上は、平行、それから道。 通い路。嘘の通し方。あたしの背のなかへくるまる方法。それは何故、何故。木造の連なり。枯れ葉のならい。並べて食べる。まちまちの、儀式の…

<835>

かれいどの花を携えて 不明の前に立て 振るえがあなたの身体(しんたい)の欠片を訪ねる 不明管のなかに 不都合な湯気として控えるとき お前は見ている お前は泥の祈りを見ている かずえひらいた このあとさきの手じるしの道

<834>

土くれとの丁寧な、あるいは爆発的折り合いについて、私は寝そべるまでもなく考えていた。考えは美学をからかい、また、抽象的な基準の上に立って回転し、ざわざわとした感情のなかでひとりの子どもを見つけ、ただその場で見つめ合うということが起きた。私…

<833>

真昼のからんとした顔。日常の小さなヘコみによくぞ紛れ込んでいる。そしてア音、イ音。倍々の行方のなかで意味。 貝の中でザギザギする・・・。 頭のなかは効果人(びと)たる無音の成就。無音の湯加減。無音室生成法売買。倍加する人(びと)。ひと、ぴと…

<832>

水の中、でリズム的な感心。全てはくぐもり、全ては非‐言語的。 全ては非‐言語的(de)。 そのたくわえ、挑発、無‐む‐意識の補給。補給路のきらめき、補給路のてらてらした・・・。 元来この、陰(かげ)の、非‐視覚の、くぐもった言葉。たくみな音声の押し寄…

<831>

裸足であること。あなたの話は難しい。決まり。数えたもの帯び、声を帯び、声ひからびて落つ。のちに、靴が暮れに暮れた、へなへなの皮。小石。 おぞけのなかへひとりの感想を差し、たくらみとともにひしゃげた。かの空中感想はそしてひとり歩く。 あたしは…

<830>

スープ。スープは待った(何を?)。待ち合わせの騒乱。場としてのうごめき、混乱のリズム的(de)酩酊。 ドゥイブチィ。 たった一滴。それも、調味料以前。裏切りはいつも笑顔であり。それからたった一点、点に視線。見事らしさ。あなたには開示、あなたに…

<829>

六度目の語り。あなたは口の外(そと)。あなた語るほかないとこころえ、ままよとまぶすひともの。 二日目の朝。私は訳もなくここへ長くいるのだと思う。しかしその外(そと)をゆく人々の震動が、今朝の台所の考えを逸らす。 おらばよい。おらば漏る。もの…

<828>

くり抜かれた欲望のなかに、たじろいで待つ。誰がこの根(音)を嫌ったろう。 あたしはあたしのなかの屈辱を不思議そうな目をして見つめている。 見知らぬ人々の声が空洞のなかで響き、ぼんやりとした、残留物の、それを知らず呼吸する。 本当は、この場面に…

<827>

たれかしらかざす声の下(シタ)へひとも知れず潜りこんでいる、その、軽やかな立ち方。 あたしは何に於いて・・・。 ひとくちのパン。記憶のなかに浮かぶ船。照明は等しく揺れている。 電車のアナウンス。風景は行き先を匂う。語らいのなかの唸りをゆく。ひ…

<826>

私のなかを緑色の直観が走る。資材も溶ける。人間も溶ける。私の生の長さと歩調を合わせるのではいけない。千年、万年単位で建ち続けなければならない。私は建物が欲しい訳ではない。つど死ぬつど死ぬ、それがまた、ひとかけらの木、その節(ふし)、小さな…

<825>

以前のならえ、がまた、ならえの響きとなるとき。 スタジアムの真んまんなかほど 新たな呼吸を、只今張りつけているときの、静かな暮らし。 私はここに現れる、そして、過去は大音響に引っ張られてゆくであろうことの、消えない混乱、なかの溜め息。 例えば…

<824>

層・・・。段階、と、記憶、にもならない厚さ。無量の繋がり。とがった、また私の、知らない声が、増えて、各々の故郷、を求めている、ように見える。 ただひとりの語りべ。場所、小さく私の腰に、手を添える。譲られぬ、その幕あい、あいだに眠る数々の部品…

<823>

かずえ歌は続く。それはぼうとした、夜(よ)の入(い)り。 まるでお互いの意識は、寂しく融け、方向性のない、剥き出しの音へ、全神経を集中している。 ひとおつ、ふたあつ。 飾り、必然性の匂い。暗やんであなたの恐怖に似た手、が、明かりの下で、ちらち…

<822>

渦巻きの絶えた、その指のあとさき。 無量ににじみ、無量に狂い、露(つゆ)はけどられぬ。 僅かに感情が、遅れずれ出てくるのを、棒立ちで見つめる。 たゆまぬ目。たゆまぬ目の先に移ろう、ひとかげりのカラス。 カラスは単調を拒否した。 そこで、複数の声…

<821>

ひびの根の間(マ)。あつらえた長い日。 傍らにかけてゆふめいな、あの白々しい大きな明かり。 俺はそこから飛び去った。 俺の意識は黒々とした平らな地面に伏せていて、僅かな音を立てその水を挟む。 てらてらと光り、滴る、甘美な幹のその一枚内側。語り…