<923>

何故が分からない。わたしはひといきに喋る。ただの振舞いが、わたしですら忘れていた時間をも含み、伝えている。 ひとの言葉を喋っていた。遠くで陽(ヒ)が軋む。はやく音(おと)になれたらいいね、と言う、ひとは皆祈っている。 「わたしは音(おと)で…

<922>

きれい。あなたの唱える。ひとは言葉に口をつける。おそらくはわずらわしさのなかだ。おそらくはわたしはわずらわしさのなかだ。ひとが水のために枯れている。ひとは枝葉に小さなニュアンスをもたす。 ひくひくと笑う。ひくひくとわたしは笑う。空(そら)が…

<921>

やわらかい。細かい、息、の在り処。わたしが弾んだ。ひとは目を閉じ、歌っている・・・。 華やぎの在り処。煙を吸い込んだこと。欠片に笑みの映る、私(わたし)は揺れる、わたしは移る、況は況のこと、呼気の太くなる、吸気は分からない、行方がわたしの表…

<920>

水は緊張していた。張りつめて一滴になった。あれは激しい音(おと)の鳴り・・・。微量の疑いで、水面はちらちらと揺れている。 そっと手を差す。無理に濁っている。たれか瞳を逸らす。水は見ている・・・。 さぁっと手の払うよう、跳躍は、細長い一本の糸…

<919>

まれな声の響いた。ひとは影に目を留めていた。ザウザウと、胸のうち、騒ぐ、声はあなたの方へ転んでいる・・・。 日が差している。おそらくは何の激しさをも、感じさせない姿で。ただの紙が風に乗っている埃が舞っているあなたは控えめに光る真白な歯になっ…

<918>

ある日を境に、形は急に約束の姿に似てくるのだった。約束の姿を借りてくるので。わたしはかすかな呼吸を感じ取っていた。 あるいは、葉のなかで、鮮烈に一歩を刻むとき、もう空(そら)は待っていないと思える、あの感覚のなかへ、ひとりわたしは潜っていた…

<917>

よっと。ほっ。もっとも、と、ふたつの会話デ、響き、ひろがり、不安定の、夜空。 またあくがれた。わたしからは砕けた。ものトおんの差、ひとは触れる。ひとはシチジュ―たび触れていて、また安らぐ、揺らぐと揺らぐ。ひとはほろほろと流れる。 いただきにお…

<916>

ああそう、マ、そう。や、よかよか。それがまた、夜(よ)、不分明ダ、だだだ。ひとりとモノはまた、からだ。姿、は、見(ミ)と和(ワ)。 数とまず、求め、それら、また和(ワ)。見えない。震え、湯気、奥、気づかない。記憶、淀む、それら、空(そら)、…

<915>

こう、こう、こう。と、巡り、声は打つ、声は打つ。 ひくり返り、午後のなかへ見事に歩いてゆく。その手前、ひらけた音(おと)、ひらけた言葉。 午後は二度、目を開いた。例えばわたしは静かにしていた。 いがむ。顔は気配を消す。夕どき、重なりは解消され…

<914>

照る。ものと、照る。とこは、こころと絵、渡す。 あなたは海側の表情を持った。ただ懐かしくなった。 わたしは灼けた砂を振舞った。呼吸音が人(ひと)の背に向かって伸びた。 湯気の伝うる、それは仕草、に手を触れて、知らず、微笑みがまともさと離れがた…

<913>

遠のきとひらめき。近くで花を弾(はじ)く、と、魅惑。困惑のなかに棲むは人のゥ、あたらしい姿。その姿、触覚に何をか訴え、ひとはつぶさに見る、と、めだまはひょいと踊る。 わたしが触れたもの。触れたものににおうこと、おそろしさ、交わす言(こと)、…

<912>

からい。隅に名の、わたしの名の、こごえてゆく、ひとは移る、ひとは移る、よろけたヒ、よろけたヒに手を、手を触れ、わたしは蒸した、わたしは蒸した、ひとは洗い、ひとは水のヒ、ひとりでに触れて、ひとしきりあおいだ。 空は見ていた。空はただの色(イロ…

<911>

かれは・・・。欲をムき、ひたすらに走っていた。 彼は芝をムく。突然の笑みで。 かれは、大袈裟な明かりのなかにいた。ひとりでふざけるのもいとわない。何もかも隠してしまうにはちょうど良い、とだけ言った。 ひとの知れぬ笑みのなかにわたしを置いた。わ…

<910>

ひゅう。ひゅう。ひゅう。ト、結(ユ)・・・。 ひゅう。ひゅう。ひゅう。ト、結(ユ)・・・。 音(おと)はずれにちらつき、寄る、ものを結う。仕草の隅に隠れて、安堵は息、か、息、を静かに過ぎてゆくのか・・・。 目論見の外で小さく鳴る、は、嬉しい。…

<909>

くるい、うたを得(ウ)、い、くるい・・・。よくは知り、日の、繰りのなかへ、綺麗なものをゥ、染み、訪ねいわば、真新しさ、のなかへ、縒れる、淀む、淀む・・・。 よゥ、よゥ、ビ、人(ひと)は流れ、語らいは喉を言(こと)に染め上げる。朱色の叫びをひ…

<908>

おうい、ことが招んでいる・・・。たくみな意識のなかへ現実が腫れて出る、いでる、腫れはよく視界の外へまで膨らんでゆく。 わたし、を編み、遥か彼方へ、遠方へよく声の通り、人(ひと)の隙間に細い糸の通り、色(イロ)を問わず、色(イロ)をまたず、ま…

<907>

触れいでて・・・。よるのこごえ、タ、ひ・・・。私が、現実と違(タガ)える空間のなかへすんなりと現れる・・・。見出した手、とふたりで、ひとはよゥ・・・。 無垢は、ファストフード店のヒに照らされ、路地をぼんやりと舐めている。口腔内意識の、ヒ‐日…

<906>

ふるっ。ふるっ。過去どの音(おと)をのぼってきたか。それはいざどんな模様で、わたしに手を振っているのか。 音声のなかにわたしがふとよぎるとき、景色を取り巻くは、空気の揺れを・・・。人(ひと)はいざ、大音響のなかにすっぽりと嵌っていくはよし、…

<905>

現れてくる、かげからまたゆっくりと、笑みは笑みで・・・。歩(ホ)は、歩(ホ)で、どこまでもまとまった時間を持つ。その裏に浮かぶもの、多くの空想や、興奮の渦など、しかしわたしは冷静な拠点をも持っていて、また、その場へ居なくとも良いと感じてい…

<904>

本気で人(ひと)を想うというのはどういうことだろうか。例えば、それなしに私(わたし)は直線を(思い)描けないということ。その場で回転する渦のなかにスコンコンとむなしい音(おと)が鳴り響き、あとには自身の回転が何か他人事のように見えてくるこ…

<903>

どこへ向けて風(かぜ)のよそへ吹くのか・・・。マ、新しく目の、目のなかへあれ、変わる姿。 よそをゥ行(ゆ)く。よそをゥ行(ゆ)くひとりのたたずまいを、静かに見つめる。と、ふとゆくと、明らかにこぼしているものが、ある、と、すれば、それは問わず…

<902>

ふく。よく吹くと、ふる。ひとはただ、肌と、とんでもない速度、を、こえるもの。よく吹くと、身(ミ)、身(ミ)、ながる。ながると、笑う。笑われはまたの夜(よ)、ひとは有りと暮らし・・・。 うぶな声のまわりに膜、その野(ノ)や、その野(ノ)や、ひ…

<901>

揃う。ひとのエ、に揃う。ほどほどにし、窓、は前へ向けて、あるいは風、強弱にてらいのない、または肺、の起き上がり、夜(よ)もヒもなくただ指を差すこころ、おどろいて、ざわめきの規模がひろがればひろがるだけ冷静になる。うち、が騒ぐ、私がひとりで…

<900>

ひとは照らした・・・。不変は音(おと)、いつもの身(ミ)、ただからんと、カラン、と、した、歩(ホ)、歩(ホ)は様(よう)。 紛らしさにいつなんどき、昨日や今日や、盛り上がり、芽(メ)、人(ひと)の一枚の姿、形はいわう。また、文言の寄り集まり…

<899>

なおも回転す。記号は、かき混ぜられたものの姿から、自由になるのでない。よく映す鏡だ。それが枠組みであればあるだけよくそのにおい、ニュアンス、を、映してしまう。 小さくそこの隅で伸びをしていただけの記号よ、招ばわれて何を思う? なおまだ裾から…

<898>

触(ふ)。・・・。触(ふ)・・・、ト。ふとい、もの、追う。なぜか、酔(よ)、酔(よ)、う。た、よう。た、よう。いかさまように(いかように)、ものごとへ、身(ミ)、を、振れい、振れい、イ、い、居(い、イ?)。 浸る。よし、可。もし、可。もの、…

<897>

ふと、立つ。姿は、染まる。ものは、順に顔を向ける。優しく増えている。 私が木々のマにひとりで歩み、その、振るい方(かた)、雑音の仕方の方(ほう)へ、そっと耳を寄せるとき、あれは知る、ノ、限られた暮れへ、ひそかな話、今また鳴っている、ただ私に…

<896>

疑いのなかの。あたしは、増える。指を触れる。触れ得(ウ)、るものの空(そら)、おそらくは呼気を読んでいる、ノ、は、わたしの震え・・・。 ひとかどの文字に指を差し、目掛け、ト、そこでまろぶ。いまいちど小さくなり、いまいちど大きくなるの、は、な…

<895>

遠のきと、戻し。速度を、あるいは速度が上がってゆく必要があり、私は網膜の忙しなさに少しく踊る。 うぶな声が届き、身体(からだ)を騒がせ、また新たに道と名付ける行為、に、ほどほどの熱、と、夕暮れ、そはまさに迫ってゆくこと。全身の了解。全身のと…

<894>

こよい、よい。治峯(じ・・・ぶ?)ン、の鼓動とうと、うと、していると、すさまじく響く、ノ・・・、声、と、人(ひと)。 手、が、間近で光る。みつめられた穴へ、それはまた誘いへ、惑溺は惑溺として静かに通る。 不鮮明、不十分の、ただの呼吸の回転と…