2016-11-05から1日間の記事一覧

<13>「涙と傲慢」

彼は泣いていた。あまりにも不遜であるということが、話を聞く前からよく分かっていたからだった。話の終わりにはもう泣き止みかけていた。泣いていることで彼の不遜さが弱まったようにも見えず、絵に劣らずの苛立たしさを湛えたままだったが、ともかくも彼…