<223>

全然その人のそのことについてガッカリしたこともないし、むしろガッカリしたなどという感想を抱くことすら忘れていたぐらいなのに、その当人から、 「知ってると思うけど、俺本当こういうところが駄目でさあ・・・」 と言われてしまうと、途端にガッカリし…

<222>

規則がある。それを皆が守る、が、たまに、忘れているのかあえてなのか知らないのか、そこに守れていない人というのが現れる。そういうとき、さりげない注意が添えられればそれで済むのだが、そこに留まらず、何か楽しいことを見つけたように、そういった違…

<221>

絶叫が静かに吸収され、それは愉快だ。空洞が紫色に響く。誰が通るとて、その場しのぎの霧雨は、止むことを遠慮しているようで儚い。ひりひりとその皮膚が、山肌を順に渡ると、どうしようもないのだよその頃の温度が、ひとつ、ふたつ・・・。泣くのだけれど…

<220>

ケチ、もう少しくれてもいいじゃない。ダメだ、もう、少しもやれないんだ。どうして、どうして・・・。進んで放棄したからか。飛び抜け、涙ぐむ山門の、からかさを通り、枯れる縁に、夜這い、気迷い。横顔を交わす只中の堆肥、蓄積。ひとたび巡り合いて、よ…

<219>

折角だからどこかに行かねば、その、行為ではなく、考え方自体に疲れるのだということに気がつくまでいくらか時間がかかった。ちょっとやそっと外に出ていく動きをするだけで、身体が参ってしまうはずもない。では、どうやって出るか。デロンと出ればいい。…

<218>

何を表しているのだ。何が表されるかは、さして重要なことではない。表したことで何かが変化していくことの方が大事なんだ。表すとき、表すことを必要とするなかれ。表され、それであれ、あれそれ。大事な問題と、大事でない問題と、どちらであるのかが分か…

<217>

やると後悔するぞ、やらないと後悔するぞ。さて、どっちに動いても全く同じだということが分かってしまったら・・・。どちらにせよ同じなら、やった方がいいだろ。いや、やらない方がいいだろ。それは、きっとどちらかにスッキリさを託しているのではないか…

<216>

人は、意味がないということ、ただ生きているだけだということに耐えられないのだ、というようなことが言われたりするが、果たして本当にそうだろうか。意味がないということ(意味とかではないということ)、ただ生きているだけだということが何となく耐え…

<215>

ただ在る、ということの否認は、自然の否定だ。それでいいんだ、ただ在るだけでいいんだと頑張ってみるまでもない、それだけのことだ。ただ在るだけだなんて・・・と軽蔑しようが、それだけのことであるというのは変わらない。作りを見ればいい。どこまで自…

<214>

私ばかりが決定していて良いのだろうか。こういう悩みはひとりで居るときには生まれまい(本当にそうか?)。グループの中に居るとき、ときには決定に積極的に関わり、ときにはちょっと引いたところで他者の決定を尊重し、とバランスを図るのが良いのだろう…

<213>

いつ決まるのか。流れていく中で、気がついたらいつの間にかその形になっている、というような仕方で決まる。そうすると、掛かっている時間的にはあっという間ではないかもしれないが、視覚的には、目を離した隙にいつの間に!ということになる。 じっくり考…

<212>

不安と好奇心とから、この人は何者なのか、という情報を求める、集める。しかし出身や職業などが分かっても、この人が何者であるかは本当には分からない。しかしまた、その人そのものに迫っていける分かりやすい道もない。例えば親しい友達などを見て、一体…

<211>

よっぽど嫌だとか、よっぽど凶暴だとかでない限り、数か月、数年と間が空いていれば、大概はニコニコ会える。毎日々々会っていれば、大概の場合は嫌になる、クサクサする。何でか分からないけど嫌だと言うとき、頻繁に会っているだけなのではないか。頻繁に…

<210>

根本条件を承認出来ない人よ、無年齢者よ。先送りが嘘だと気づいて何になるというのだろうか。無論、何にもならないさ。幸い、お前は体調を整えることでどうにかしているんだろう。疑う、というのは、そのものが一見確からしく見えていなければ出来ないこと…

<209>

眠さのあまり、とろやかに死んでしまった。よく触る左手よ。ゴツゴツと、いくらか軽やかになっている夢の身体の、昔はとても重いこと重いこと。懐かしさが現れ出たとは思えない。いつも同じ範囲に収まっているからだ。だから懐かしさがいつでもない。しかし…

<208>

生き生きとしているのと、憂鬱そうにしているのと、どちらも同じではないか。それは、あなたが元気な人でも、憂鬱な人でも、どちらでも構わないんだよ、という話ではない。どちら、というような区別もなく、同じだ(大きく括った訳でもない)。同じであるこ…

<207>

当たり前かどうか分からないが、伝わってほしいと思うこと、その欲望と、実際に伝わってしまうことはまるで違うこと、別のことなのだという気がしている。 「ほら、お前の望んだ通りじゃねえか」 と言われても、何かが違う、しかも決定的に違ってしまってい…

<206>

上から脅したり、下から脅したり、媚びたりそういうコミュニケーションの真ん中に置かれるのはうんざりなんだ。豹変じゃない。パワーバランスの調整を企図していることに変わりはない。そんなこと別にいいのじゃないか。パワーなんてことを特に考えなければ…

<205>

地黒、いろ、くろ。渡り、誰それ。肩慣らし、またらし、また減らし、みたらし。ふるふるふる夢の、地黒、いろ、くろ。高等な建築、何です? 嘘ごろ見頃その魂の、ふていふていと、ときおり見ては、それのまぐわひ、ひたらむき、抜き出し、ところでの香りの、…

<204>

結果的に徒労であったということが明らかになり、疲れてしまうのは分かるが、しかし徒労であるということ(また徒労とかではないということ)を承知していると、疲れる前から疲れている。すると結局いつまでも走れるのだが、例えばそれは食っていることに気…

<203>

例えば、金をかけずに揃えたいだけ本を揃えられたらいいな、と思う。しかし、その欲望を満たす可能性のあるような抽選が目の前に現れたとき、何故だか、 「参加しない方がいいな」 と思ってしまう(うっかり当たりでもしたら・・・)。別に、自分より困って…

<202>

受け容れる受け容れないに関係なく動けてしまう状態にいつもある、ということは、きっと悩みがあるというより、圧倒されて動けなくなってしまう瞬間があるだけだと考えた方がより妥当だという気がする。圧倒されている、あるいは圧倒されるだろうことが分か…

<201>

何かの条件を挙げる。それも、まだ自分がやっていないものを。そうして、一度でもやってしまった人達、それを経過してきた人達を、 「もう駄目だ」 と断罪する。ここには嫌な快楽が伴う。戻りようのない人達を、戻れないのなら駄目だよと言ってしまって、自…

<200>

どうしようもないだろう。どうして救われなければいけないのだ。肯定と否定を頼りにしなければいけないというところに不自由がある。完全に切り離されることを望んでいる訳でもないのだろうが、否定的な場は勿論のこと、肯定的な場にだって長くは居られない…

<199>

寝室は暗い方が好い。ようく見えない、黄色や白で不愉快だ。落ち着くことを考えたい。目で見る必要の物事、読み、書き、笑い・・・。意識の代表、それが明かりだ。明るいっぱなしでストレスだ。意図的に休め、痒みの発露。ぼうっとしてくるまでに掻くことし…

<198>

施しを受けても特に何も言わず礼もせず、施した方もそれを当たり前と思っている・・・。極端だが、ここまで行かなければならない、というより、ここまで極端でなければならない。おかしなことに見えるかもしれないが、自然がまさに自然に行うような施しに近…

<197>

誤解の満艦飾という言葉を見て、考えていた。これの解釈ではないのだが、さて、人はその人のやり方で誰かを全面的に掴むし、その掴み方に間違いというのはあり得ない、何故ならひとりひとりが世界(よく小宇宙などとも言われる)なのだから、ということを何…

<196>

今現在使ってもいないし、今後使う見込みのないものでも、そういった事情を承知して代わりに使っている人を見ると、なんとなく嫌で、また嫌とまではいかなくてもあまりいい気持ちがしなかったりする、その人が勝手にどこかに持っていったり奪ったりする訳で…

<195>

一個の人間に対して、出来事が多すぎやしないか。こんな量をとてもひとりで経過してきたとは思えない。矛盾するようだが、自分より若い人に向かって、知識とか判断力ではないところで漠然と何か、 「分かっていない」 と感じるとすれば、それは、自分より若…

<194>

同じ物事を明るい方向と暗い方向とから眺めることの出来るのは、眼の機能でもあるのだろうが、実際に物事がそのふたつをそもそもの初めから持ってしまっているということもあるのだろう。それは生と死というものがしっかりとくくりつけられているからだと思…

<193>

動揺しないように、みたいな、無理ではないけれども頑なな構えを取らないように。動揺させられると、止まらなければいけない、引っ込まなければいけないと思うから、動揺してはいけないと思いたがるのだが、実際動揺してみれば分かるように、そのままで止ま…

<192>

贈与や恩恵のことを論じるにあたって、先日先々日辺りから触れている、いわゆる贈与の不愉快な面について詰めていないものを見ると、どうしても不満を覚えてしまう。それでは不十分だという気がするのだ。また、珍しく触れられていると思ったら、それを不快…

<191>

恩を意図的に施すことの不自然さ(故にやるべきではないという話ではない)、難しさを考えると、例えば托鉢などの修行は、施す側の困難の方が大きいように感じる。施すことも修行だ。同意した訳ではない招かれは、施す側がうんともすんとも言わず、施してい…

<190>

感謝の連呼が防御、威嚇に見えてしんどいということを以前に書いた。何に対する防御か、威嚇か。恩が、施されるのではなく、着せられることに対する防御だ、威嚇だ。どうして防御や威嚇の声が大きくならなければならないか・・・。 礼儀として、何かの施しが…

<189>

あまりいじくり回すのも良くないのだろうが、心の問題ほど不可解で、また面白いものもない。気持ちが萎えていたら出来ないものも、また盛り返してくれば出来る。それはすごく重要な移り変わりで、萎えているときに無理に動こうとするのは良くない、というの…

<188>

時間は出来事や時代の分だけ在り、新しい出来事に出合えば、私の中のどこかに円みたようなものが形成され、後、すぐに回り始める。最初のうちはまだ円も少ないので、全てが回っているが、しばらく経って円も増えてくると、あるものは止まっていたり、あるも…

<187>

それを失ったら終わりだ、というようなものを失って、平気でいるのとそこでは決まっていた。真面目さが順序を解体するという話が私にはよく分かる。建築物には何かの無理がある。何かの図を作る、するとそれに規定される。そんなことは窮屈だと言うよりほか…

<186>

判断することには、覆ったと勘違いする危険が含まれている。いや、判断すること即ち、勝手に覆ってみせることなのかもしれないが。これは不可解なことかもしれないが、誰かのことを私は全面的に掴む。しかし、その人の全体を掴む訳ではない。であるから、私…

<185>

高尚な話題、規模の大きい話題に関心を持っているときに忘れがちになるのが、それがとても楽しいと感じられているから参加できているという事実だ。どんなにか過酷な、悲惨な現実に向かっているときでさえ、楽しさは裏にびっしりとくっついている(楽しさで…

<184>

自分と似たものが出来上がれば、延長が分かりやすいのか。恐怖としての欲望、つまり怖ろしいまでに同じものを望んでいる。私がここで続いていくという幻想を保持しやすい。教育の運動というのは、開いていくと同時に閉じていく。同化していくことを望む場合…

<183>

教育欲というようなものの現れを見ると、いつも、う~んと思ってしまう。それは自分にもある類のものであるから尚更だ。つまり、自制すべきものなのではないか。こういうことを考えている、疑問に思い続けているが、上手く響いて行かない、というイライラは…

<182>

嫌な陶酔、嫌な酩酊というのはやはりあって、それは酒を飲んでいるときを考えれば一発なのだろうけれど、酒以外でもそうだ。自己批判にしたって(勿論他者批判もそうだ)、正義感の発露にしたって、必ず酔いというものが伴っていて、それを感じて後悔するか…

<181>

自己批判が目的ではなく手段になっていることがほとんだと感じる。つまり厳しい目を向けているのではなく、他人を黙らせる為、介入させない為に、自己批判を手段として持ち出している。黙らせたいときは、相手に直接、 「黙れ」 と言ったり、何かを説いたり…

<180>

怖い視線というのは、実はあまり大したことがないのかもしれない。いや、確かに怖いのだが、危機として非常に分かりやすいから、対処の仕方も分かりやすい。それより、何だろうあの不気味な睨みは。ぶるぶるという慄えが背中から足にかけてやけにゆっくりと…

<179>

よく見なさい、というのはそうすればきっと何かが得られるからではない。何かの為ではない。ただ見るということ。残らず全部を見つめるということ。では何故そうするのか。何故というものはないのだ。どういうことだろう。言われただけでは分からないが、ひ…

<178>

欲望が迷いであるというのは、そういうことではないか。つまり欲望に惑わされるから気をつける、しかし何故惑わされるかというと、欲望自体が混乱している、欲望が迷っているということだ。これは、無意識をイコール本音に安易に結びつけることに対する疑問…

<177>

結局何ものかにはならない。何者かになるようには出来ていないからこそ、段階、地位を作る。尤も、結局何者でもなかったとしても、そういう位置を設定して、自身の振舞い、周囲の振舞いがそれに沿うたものになって行けば、本当に何者かになったような現実状…

<176>

その日、私は歌をつけていた。ゲームに付随する応援歌のようなものを。いや、歌は友達がつけていたのかもしれない。可笑しくなって続いた。その楽しみに夢中になる一方、何か幼過ぎるような、似合わないような感覚に陥り、事実そのときは幼かったのだが、今…

<175>

行動が全てという考え、その実践には良い面と悪い面がある。尤も、~が全てという極端な考えに身を置く以上、良いものと悪いものが力強く浮き上がってくるのは仕方ないのだが。良い面は、行動が重視される以上、何はともあれ物事は前に進むということ。口だ…

<174>

大方の人には分かんないだろうねと、敢えて分からないような、あるいは分かりにくい提示の仕方をして得意になっているのもガッカリだが、自分が分かるか分からないか、理解が容易か否かを基準にして、分からなければ即、 「こんな分かりにくい、難しいものは…