寝坊は本人が悪いのか?

 遅刻をして相手を待たせる、組織に迷惑をかける、こういうのはあまり褒められたものではありませんね。

 そして、一概に遅刻と言えども、遅刻する理由は様々であります。その様々ある理由のうちで、主要なものとして、「寝坊」というものがあるかと思いますが、寝坊によって遅刻したならば、まず間違いなく非難を浴びるでしょう。

 ただ、私はここで一つ言っておきたいのです。

「寝坊は、本人の所為ではないのでは?」

と。

 何をふざけたことを、と思う気持ちもわかりますが、それでは皆さん、朝目覚めるときの自分の状態を良く思い出してみてください。未だ睡眠のさなかにあって、もうすぐ起床しなければ、といったタイミングのとき、

「よーし、そろそろ起きる時間だな。さあ、睡眠の状態にある私の身体よ、起きなさい! ウェイクアッププリーズ。」

と考えながら目覚めていますか? またはそういった能力がありますか? おそらくほとんどの人がそんな起き方をしていないし、出来ないんじゃないかと思います。大体の人が、

「ハッ!朝か、時間は?何時?あー良かった起きられた」

というように、自分の意思とは無関係のところで、突然覚醒しているのではないかと思うのです。つまり、

「起きようと自分でいくら思っていようが、睡眠から覚醒へのスイッチは、自己の与り知らないところで行われている。」

という事実から、

「寝坊は本人の落ち度ではない」

という結論が導かれてしかるべきなんじゃないかと、こう思っている訳だということです。

 例えば、覚醒した後にもかかわらず、それでもなお、ぐずぐずと布団の中にこもっていたという結果で遅刻したならば、怠惰であったと言えるので怒られても仕方ありません。

 しかし、純粋な「寝坊」は、ただの「覚醒し損ね」ですから、全く本人の怠惰であるとは言えないと思うので、怒られるのは理不尽だと思うのですが、どうでしょう?