どうしてそんなに信頼しているの?

 何か気に食わないことがあったのであろうとき、家族は私に対して、つっけんどんな態度を取る。当然私は、そんな態度で接せられると、イラッとする。

 そして、そういう態度を取られたこと自体にもイラッとするが、それ以上に、

「不機嫌なときには無理して自分を繕わずに、不機嫌さをそのまま出す」

ことが出来るということ、そういう行いをしても、まず相手には受け止めてもらえるだろうという自信、私に対する信頼感に、イラッとする。

 私は反対に、家族ですらそこまで深くは信頼していないからこそ、自分の機嫌が良くないときでも、機嫌の悪さを全面に出さないように努めている。そうしないと、許されないと思っているからだ。

 要は、勝手に自分の中で、不機嫌な態度を取ることは許されない、何故なら相手は信用できないからだ、と決めているだけなのだが、それでも、家族が私に対して不機嫌な態度を取っていると、

「どうしてそこまで私を信頼できるんだ(私はあなたたちをそこまで信用していないのに)」

と思って、ついイラッとしてしまう。