美のための美

 以前に書いた、『何のために筋トレをするの?』にも通ずるところがあると思うのだが、たまに女性などが、

「変な誤解をされたくないなら、そういう服装をするな」

だとか、

「そういう服装をするってことは、そういう風に思われたいってことでしょ?」

と言われている場面を目にすると、

「いや、それは他者がどうとかいうことを超えていて、ただただ、美しくありたいから美しくあろうとしているだけなんじゃなかろうか」

という疑問を抱かずにはいられない。

 もちろん、異性にどうとかいう目的で過激な服装をする人もそれなりにはいるかと思うが、そういった、

「他者にどう思われるか」

というところを超えて、

「美しくなるために美しくなりたいんだ」

という、

「美のための美」

の境地が人にはあり、そこを目指した結果として、副産物のような形で男性の興をそそってしまったから、別にそういう目で見られることは本意ではない、ということは大いにあり得るのではないかというような気がするのだ。

 ただ単に美しくある、または美しさに近づきたいという衝動、欲望は、他人の目とは全く関係のないところで起こることも頻繁にあるのだというように思う。