声が軽い

 声の高い人、低い人という分け方は一般的だと思うが、声の重い人、軽い人という分け方はどうだろう。

「そりゃあ、低い人の方が重くて、高い人の方が軽いだろう」

と思われるかもしれないが、案外そうでもない(そういう傾向はあると言えるかもしれない)。

 事実私は、比較的声の低い方だと思うが、声自体は軽い。反対に、声が高くても、声に重みを持っている人はいる。

 重い軽いはどこで決まるか、何で分けるかと問われると、それは感覚的なもので説明しづらいのだが、要素を挙げるとすれば、響き、深さといったものになってくるだろうか。その他にも種種の要素が挙げられるかもしれない。

 それで、別に普段から常々、

「声に重みを持ちたい」

と思って生きている訳ではないのだが、重みを持った声の人にふと出会うと、自身の声を顧みてがっかりしてしまうということが稀にある。

 だから、声に重みというものが加わってくれれば良いなあとはぼんやりと思っているのだが、そうすると、はたして声に重みを持たせていくにはどうしたら良いのであろうか。もちろん、小手先のテクニックだけではなく、そもそも長い年月をかけて声を使い込まないことにはどうしようもないだろうという自覚はそれとしてあるのだが・・・。