起きていることに飽きる

 朝の7時に起きて、夜の24時に寝るとすると、17時間起き続けていたことになる訳だが、大抵17時間も起き続けていれば、てろてろになるほど眠くなってしまう場合がほとんどだ。

 しかし、たまにそれだけの時間起き続けていても、全くと言って良いほど眠くならないときがある。身体も休息を欲していないし、精神の方面でも全く疲れておらず、

「起きるぞ」

と無理している感じもなく、全くてろてろになってこないときというのがあるのだ。

 おそらく、コンディションが整い過ぎるほどに整っているせいで、

「疲労って何?」

というような状態になっているのだと思うが、そんな状態のときでも、あんまり起き続けている時間が長くなってくると、眠くもないのに布団に潜ってしまうことがある。

 特に眠る必要も感じていないのに、どうしてそうするのか。自分でも疑問だったのだが、どうやら、

「起き続けてしばらく経つと、起きていること自体に飽きる」

のだということが最近になってやっと分かってきた。ちょうど、同じ曲ばかりを聴き続けていると次第に飽きてくるように、起きてばかりいると、睡眠状態が恋しくなってくるのだ。

 そして、

「起きているのに飽きたから、睡眠でも貪るか」

という心持になったときは、眠気などどこにもなかったはずなのに、いつの間にかぐっすりと眠れているのだから不思議だ。起きるのに飽きている状態が、疲労のない身体に睡魔を運んでくるのだ。