突然、ほんの一瞬だけ飽きる

 友達とワイワイ楽しく遊んでいるとき、面白そうなテレビ番組が同じ時間に重なっていて、どちらを観ようかと楽しい悩みを抱えているとき、本屋に行って、今日は一体どんな本を買おうかと目を運ばしているときに突然、それもほんの一瞬のことだが、その楽しみが全くどうでもよくなったりすることがある。

 「あれ? 一体全体何でこんなにもウキウキしているのだろうか・・・」

と、夢から覚めさせられたかのような飽きが、突然に襲ってくるような感覚だ。

 あれは何なのだろう。根本から完全に飽きてしまったのなら、すぐにでもその場から退散したくなると思うのだが、そんなこともなく、しばらくするとまたすぐその楽しさに引き戻されるし、もしくは、何か例えば、危険な遊びに向かおうとしている自分に対して、目を覚めさせる目的で、ある種の防衛反応のように瞬間的な飽きが来ているのならば分かるが、別に現在享受している楽しみに、そんな危険は潜んでいるようにも思われない。

 その一瞬の飽きは、ただただ本当に気まぐれに、抜いてしまうつもりではなかった電源コードに誤って足を引っ掛け、またすぐに接続し直すまでのその間に起きる、偶発的な興味停止のようなものとしか思えないのである。