ひとり休憩が休憩

 やっていたものを一旦押っ放り出して、水分でも摂りながらどこかに腰を落ち着ける。それが休憩だと言われちゃあ、少しばかり物足りない。その上で、ひとりでいられることが重要だ。それは休憩じゃないとまでは言わないが、皆でガヤガヤと同じ席に着くのは、どちらかというと休みというより労働に近い。休憩に入るまでに何やら沢山言葉を交わしていたのなら尚更、ひとりにさせてくれないと休みとは言えなくなる。

 ちょうど、背中に刺さっていたコンセントを引き抜いたかのように、虚ろな目をして呆けさせてくれるのでなければ、心は休まらない。他人と一緒にいては、完全に電源を落とす訳にはいかないから、しんどいのだ。

 親しい友達となら、休憩中に沢山会話を交わしても良いかもしれないが、そうでない場合は、休憩時間まで一緒にいるのはしんどい。しかしまたこれがなかなか伝わらない。ひとりで休みたい旨を、直接的に伝えることはしないで、間接的にほのめかしただけでも、職場の他の人は、私が皆のことを避けているのだと勘違いする。そうではないのだ。ひとりで完全に脱力したいだけなのだ。