「自分の可能性を最大限に生かしてみよう」
とか、
「せっかくの人生なんだから、自分の持てる力を全て使い切ろう、出しきろう」
など、私にとっては縁遠い考え方があるが、意地悪なことを言うと、自分を最大限に生かした感覚だとか、持てる力を全て使い切った感覚は、追っても追っても、いつまで経っても得られないと思う。
それは、あなたが生きているからだ。生きているということ即ち余力があるということである。使い切るためには、肉体の限界を超えて、死ぬところまで行かねばならない。そうすれば本当に使い切ったと言えるかもしれないが、死んでしまえば勿論、
「使い切ったという感覚」
を得ることは出来ない。