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そもそも死ぬというのは

 そんなものは虚しい、最大の不幸だと散々に言い聞かされて騙されそうになっているが、そもそも死ぬというのは、ひとりで死ぬことを指すのではなかろうか。ひとりで死ぬ以外の死はあるか。心中でも何でも、見かけだけで内実は、ひとりで死んでいないか。

 ベッドの上にいようが、野っぱらに投げ出されていようが、抗いようのない力で別の地点へと誘おうとしている絶対的なものを前にしては、どうしようもなくひとりなんだということに、その瞬間に至るまで気づかないようにさせる方策があれこれ取られているだけなのではないか。難しいとか易しいとか、幸福とか不幸とかではなく、ひとりで死んでいく以外にはあり得ないのではないだろうか。