喝采

 傲慢な奴だ。祝福に応じないなんて。嘘だと言うのじゃないんだろう。嬉しくないのじゃないんだろう。ランプを小さく灯して、肩をガックリ落としたあの列へ、さあ順番に並びたまえ。赤か緑か、黄色か白か。好きな分だけ挿してやろう。

 大いにあげよう、祝福を。夏の草が、そこで止まってしまうように。浮かんだ雲が、引き際を見失うように。挑みかかる月が、もう半分以上は現せないように。ひとかけのリンゴが、熟すタイミングを失ってしまうように。

 祝福を巻き上げろ。あの列へは並べない。憔悴しきった木の枠へ、ひとりでとぼとぼ引き上げよう。コップ1杯の水が、も一度向こうへ流れたら、最後の人へ分けたげよう。