欺瞞

 そこまであなたの気持ちが強いのなら、あなたがいった方がいい、というのは利他だろうか欺瞞だろうか。在っても、そこまで強くはないモヤモヤとした気持ちの、はみ出た部分を丁寧に切り取り、

「それなら別にいい」

という枠へ収めるのは、欺瞞ではあろう。

 では、あなたではなくて、私がいった方が良かっただろうか。大した気持ちもないのに、大層な熱を持っているかのようなふりをして・・・。それは、少しはみ出た部分を切り取るといった程度の欺瞞を、遥かに超えてしまっているような気がする。