過去

 過去は、もうどうでもいいことである。しかし、過去は全てだ。現在というものが、跡形もなくなるほどに。

 このふたつが、矛盾もなく成立すると聞いて、何を思うだろう。いや、何も思わないのだ。あまりにも当たり前だから。

 全てが良質で、一番醜悪な出来事すら崇高なものに思える、似たような感激があるだけだ。