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多数と本当

 多数に浸透するだけが本当ではないのだ、ということが、多数に伝わって初めて評価される。普通の生活をすることが1番なんだよと伝えまわった人は、ごくごく特殊な生活をしていた。俺は出来なかったからという、照れのような見せかけを残して。この上もなく幸せな生活を送ってきた夫婦は晩年、そのことを誰か他の人に伝えなければその幸せが完成しないような気がしてならなかった。自足しているんだということを、他人に言わなければ・・・。明らかに良いということが、分かりすぎるほどに分かったが、七分まで影が差していたので、出しかけた手をひっこめた。