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変な構造

 他人というのは、情報が増えれば増えるほど分かるようになるものでもないということを、『誰』で書いたが、それは自分が自分に向かっていくときにも同じようなことが言えて、なるほど俺はこういう人物で、こういう特徴があって・・・ということを逐一言語化して確かめていけばいくほどに、一体この私とは何かということがまるで分からなくなる、細かく点検すればするほどに分からなくなるという変な構造をしているのが自身というやつだ。

 今まで確かめてきたあらゆる諸特徴の全てを持っていないような気もしてくるし、逆に、全てを持っているような気もしてくる。要するに、自分というものが全く確かなものでなくなり、ぼんやりしてくるのだ。またしかし、個人というのはそういうものだという気もしてくるし、そんなものでもないんじゃないかという気にもなってくる。