切り取る

 悲惨なカット。息を呑む。あちらこちらで立ち止まる。ふいに、用意されていた額縁が外され、無数の事柄の中へ、消えていった。

 しかしその足で、ポカポカする太陽を浴びながら、特別に上手い一匹のところへ向かっていたとしたら。青緑に光るその石を、無邪気に拾う場面に出くわしていたとしたら・・・。

 次第に重さを増し、黒く立ち込めたかと思うと、あっという間に霧散してしまうかのように。そこだけを切り取るほど悪天候ではないのかもしれない。