許せない?

 今も許せないでいるのかと言われれば、どうも違うような気がする。

「いや、それは許していないってことなんじゃない?」

と言われて、

「そんな訳ないだろ!」

と強くも言えないけれど、

「そうなんだよ」

と、頷けもしないような・・・。

 恨みがジリジリ憎悪が募って、

「この野郎絶対・・・」

ということは、私の中にはない。

 ただ、絶望とも諦めとも違うような、断絶とでも名付けてみようか、という気持ちが、ぼんやりと漂っているのだ。それは許せないってことだよ、という言に引っ掛かるのは、許さないという姿勢がどうも能動的に聞こえるからだろうか。関係を再構築しようとか、絶対に構築し直さないとか、そのどちらも持っていないようなひび割れ・・・。