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飛ぶ

 世の中の常識(私が一向鈍いのか、そんなものがどこにあるのかよく分からないが)に合わせるというより、人間というのは身心なのだから、そちらの常識(こちらの方がまだ把握できる)に合わせるようにした方が良いのだろうな、とは思う。

 それに、集団で支えていて、相互に作り上げている常識は、容易にひとつの個体を離れて飛躍していってしまう。意識だけを相手にして、言語という建築物を上へ上へと築きあげて、もう随分と前から住んではいけないような危うさになっているにもかかわらず、皆で共有している常識だからと、そこへ次々に入居していってしまう。

 地面に着地している、1メートルやそこらの肉体を離れて常識を考えてはいけない、というより、離れても良いが、それらはいずれ上手くいかなくなるだろうという感覚は常に持っていた方がいいように思う。いかにもこの建物は見事で、どこまででも本当に行けてしまうような錯覚をこちらにもたらすものだから尚更だ。