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 それも含むと言いたいのだ。当たらない、該当しないといって、

「違う」

と言ってしまいがちになるが、違いやしないのだ、それも含む。例えば、喜怒哀楽そのものではないにしろ、喜怒哀楽が入らない訳ではない、それも含まれるのだ、それだけではないというだけの話で。どんな些細なもの、分野が限定されているものでも、全部を含んでいるような気がして、通常は無いものまでちゃんと一緒になっている気がして、そこから悲だとか哀だとか、ひとつを抜き出して終わりにしてしまうことは私には出来ないのだ。独自の色を持った、しかしそれでいて全てのものを揃えているものを前にして、圧倒されるより、美しさで慄えるより外にすべきことがない、それがとても嬉しい。であるから私に分別というようなものは向いていないのかもしれない。それぞれが全てそのままに飛び込んできて、ドンと打つ。全部が全部一級品だという訳にはいかないだろうし、そうだと言いたい訳でもないのだが、これはこれで、あれはあれで楽しい。