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 意識は向かない。流れていくことが基本であり、忘れていくことが常であり、ちょっと待てと止めて、流れさした場合と何にも変わらなかったことを、納得のいかない顔で眺める。止めなければいいと思っていても、止めなければいいと思わなければ止まらないのであり、さて、浮き上がりながらその困難の深さに頭を抱え、ふーっとここまで降りてくる。必要がなければなるべく飛ばない。空を渡る生き物の心許なさ、心許なくなんかありゃあしないと言われてしまうだろうか。運動の多さで腹が減る、常に減る。勿体ないかどうかが分からない。つまり、損得を測る気持ち、どれだけのものを得、どれだけのものを経過したか、だって勿体ないじゃありませんの? 何に対して勿体ない? 充分に体験すれば勿体なくはなく、乏しければ勿体なかった、ということが、どこから分かり出す? 何かが残ることが勿体ないのか、何にも残らないことが勿体ないのか、「勿体ない」というのは私にとっては外の言葉だ。外の言葉と言ったって、馴染みがない、身についているものではないと言ってしまえばそれでいい。