<99>「境界の身」

 境界を踊った、怖ろしさと甘ったるさを一身に背負い、私がいきなり動きを止めてしまっても、驚きもしなければこちらをちらと見もしない、贅沢だ、彼らは言う、そうだ私がだ、移ろう影がそもそもの初めから悲嘆を描き出していたのか、徐々に変わってきたのか、踊って、その一言すら・・・完璧だ、観賞を必要としない観賞、身を捩って叫び出さずにはいられなかった、踊りが、中断するためだけに踊られ、破られるためだけに踊られた、どちらに落っこちた、これほどみっともない食い方もないもんだ。