<120>「身振りを見てしまう」

 動揺する、それは確信の身振りであり、確信の内容ではない。他者にしか見られないことにも驚くし、他者にその身振りが見えていることにも驚く、つまり確信の身振りを意図することも出来れば、勝手に読み取ることも出来るといった具合、内容がないのだぞと説明してもそれは仕方ない。泣いて縋りたいぐらいの強さを持ち(実際にそのように動くイメージはあまり浮かばないが、そんなものは動いてみなければ分からない)、それは風景へと押しやる作業、つまり持ち上げているのでも下げているのでもなく、ぐいと奥に押し込んでいく作業、そうして自身を浮き立たせる。しかし驚きたいからそうするのではなくやはり驚かされているのだ、であればやはり自然な働きかけ、それは相手から来るのか私から行くのか、そのどちらでもあるのかは定かではないその身振りをとにかく見てしまう、それが意図されたものでなく結局は見誤りであったとしてもまずとにかく見てしまう、そういうことがある。