<168>「原初の重さ」

 何も分からない存在はどのようにして歩むのか。それはお前の歩み方をよく見てみれば分かるだろう、分かるか? いや・・・。倦怠感は純粋に身体の問題だという気がするのだ。同じ感覚に貫かれていながら、全く元気がなかったりだるかったり、一方でピンピンしていて元気が溢れていたりするのだから(どちらかだけを嘘としたり、どちらかだけを本当とすることには無理がある)。しかし、頭も身体なのだ・・・。

 落ち込んだり、飛び上がったりする理由を知ることはない。考え方の変化によって倦怠を抱えるようになったという思い込みの無理を、幼少時の虚ろな瞬間が伝えている。絶対的な重さを(他のものとの比較ではない重さ)確かめたときから、これを背負い上げる倦怠を感じていたはずで、それはどこまでも前まで遡れる気がする。それこそ、激しく泣き叫ぶ前まで・・・。