<219>「液体が外へ」

 折角だからどこかに行かねば、その、行為ではなく、考え方自体に疲れるのだということに気がつくまでいくらか時間がかかった。ちょっとやそっと外に出ていく動きをするだけで、身体が参ってしまうはずもない。では、どうやって出るか。デロンと出ればいい。別に出なければ出なくてもいいのだが、ドロドロドロドロ、どこかに行ってくるという意識すらもボンヤリさせたまま、行ってきますの言葉も何処かへ置いたまま。何故だか分からないけれど何となく出てしまったという状況だけ残して、そうすると、ほとんど出なくもなるのだが、それで存外平気らしい。靴を失った。そこまで潰れてしまったのだ。裸足を眺め、じいっとうつむく。歩く?