<230>「螺旋階段の肌色」

 塔女房、とは申せ。不気味な谷を渡り、愛用の螺旋階段を。ひたへひたへ、おのずから忘れるところを頼むその尋常の。クリーム色に溶かされたそばで、ひとまずスケッチ、とってキャッチどのように。あやまりて引く、どこへ引くもうすべすべのそこ引く、獰猛この上ない。

 一様に引かせる涙、枯れず、先端に触れ、開いた口がぽっかり。眺めをも知らぬ景色のなかでやさしい眼球は場所を譲り、滾らせ方を知らず後ろの袖、引き切って頂戴。盆に載る、わかめやら足やら。交替放題、意気消沈。神妙なお隣の膝頭木綿並み。内装協定今日のうちご破算。これこれと、触るんじゃあ、これこれと、触るんじゃあ、これこれとそれ怠慢のみたらし、下に指し、如意もし通しもせんなら、特別の満ち、大概は専念の体。