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 どこを見ているか分からない視線のことを話そう。そんなに覗き込むものではない。こちらを見ているものがある、が、同時に、こちらを見ていないものがあると、何故だか見られているという感じがしない。むろん、それは見ている方でもそうだ。対象をしかと捉え、それでいて、これは私が捉えたものではないという気持ちがする。眺めることの拒否、遠慮という訳ではないのだろうが、どうも何かを探るように、また、探られることをよしとしないように、ぐいと内側へ外側へ動く。

 間の抜けた印象を抱かせる。それは間を外し、しっかりと組み合うことから逸れていく。どうしてそうハッキリと見るのか。集中して見るのは疲れる。疲れるとまたぼんやりと浮遊していく。ハッキリと見つめ切る、最後まで見つめ切ることが習慣になっていると、それがとてもストレスであることに気がつきにくくなるのかもしれない。もう、今日は何かを見据えなくていい。焦点がぼやけて安心する瞬間が私は好きだ。

 

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