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 どこを追う、分別のつかない風が、丁寧に音だけを通し、雨は表を叩いた。吸収された空想は影になり、影だけになり、今や追う人はいない。二層三層の拘り、意味もなく震動を伝え、見つかるものはと言えば、だらけた動き、虚ろな集中。徐々に、明るくなることに対する興味を失った。

 いつに鳴く、それでも起き上がり、遠くの工場の響きをすぐに模し、いまや、軽やかな羽根のことをも忘れ、根と一体になった枝の揺れが、申し訳程度の葉を落した。関係のあるものが、石みたように押し黙り、夕べの予感を裏切って過ぎた。明日になる、夢はまだいない。