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 眠りから醒めていくなか、遥かな昔がかすかに残った。それは、優しさ以外の何ものでもない。生まれ出る秘密を知っていたのだ。だが、もう一度知ることだって出来た。微笑みは遠い、どこまでも遠い。映された表情を、確かに見留めて、懲りない感触の私になるまでいくらもかかるのだ。計画され、流れ出ていく、その名残りの、丁寧な暮れの気配。それは顔貌だ。顔貌を受けて立つ。夢には知らされていない。