<411>「歩みの遅さ、揺籃」

 ここに、こうして、理由も何も、集まってくるなよ。起きたことの仕方のなさというのを、どこまで進めていったらいい? とても怖ろしいことを考えようとして、疲れて失敗に終わり、僅かに動揺させたままでいる。

 ここに戻る、いや、ここに戻したいのだろう。果たして、いくつか考えられることはどれも不合理だ。ならば何処に立っていればいい。動揺させられるがままの風景を見よ。穴という穴が視線を逸らさない。

 まったく、どうしてこういうものが、いつまでも倒れてしまわないでいるのか。むろん、それは期待からではなくて、ただ腹が立っているだけなのだ。最も際の際の状況というものが想定されなければ、きっかけを失ってしまう。この歩みの遅さは・・・。