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 そのとき、何故か、私の声を、聞くとでも思ったのか、なあオイ。俺はひたすら呼んでいることをこのように考えているぞ。身体が呼び声のひとつになる。様子が違うかもしれないが、それは当たり前なんだ。一度たりとも見せないという約束と、その約束だけを胸に抱え続けてくれたらいいのだ。

 声が炸裂し、喉という喉、一帯を襲う。一切が匙加減ひとつの戯れであったとしたなら・・・。矛盾の軌跡を、奇妙な表情でなぞる必要は、果たしてあったのかなかったのか。喉より下のことなど、どうしても分からない。

 ひっかき、笑わされまわされ、後を追う面倒が、順番に口腔を圧してゆく、また、ゆくだけの力がある。伝えるのは、何かしらの温度だ、別のものに変換するな、興醒めなのだから。何だ、また笑えばいいのか、そんな態度になぞなったことはついぞないだろう、なあなあ、分かっていればこそのはずだ。熱くも冷たくも、丁度良くもない、というのを、感じたことがないことに由来する、説明の、ただその説明の億劫と、たらたら長さ。