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 暗い穴が、時間を探してこの勢いにむしゃぶりつき、知られたくない表情が、感じたくない奔流が、次々に場面を展開していく。ああそうか、感情だ。完全な顔を崩さないために、呼吸は、固く、浅くなっていく。

  踊り、くねり上がればいいのだ。

  踊り、くねり上がれば・・・。

 計画通りに息が捨てられていくかと思えば、また平穏を取り、回復する以外の傾き方を拒否したりしている。何故だ、何故私には、この穴の意味が分からない・・・。にわかに規則的であるとは信じがたいが、独自のルーティンをこちらに見せざま、飽きることもなくそこここに細かくあけていく。

 やれやれ、挨拶もなしに、その浮沈を放棄していくとは・・・。毎度のことに、慣れていないことが合図となって、応答の止んだ空間へ、やや落ち着いている。映像たちは、想像の申し出を断って回転を止め、歩行のリズムが不安定になろうが全く気にかけないでいる。それは脱力を促すためにいいことではある。