<481>「小さな名前で呼ばれて」

 小さな声で、しかしぶつぶつぶつと、目覚めさせ続けるのだが何だ。そんな静かな攻撃もないだろうに。別に呆れるというほどのこともないが、それではこちらも少しばかり動き回らせてもらうぞ、というものだ。馬鹿ならばそれなりの景色と盛り上がりに対して、落ち着け落ち着けという動きが健気にもあちらこちらで見られるから助かった。眠るのに必要なだけの静かさであれば事足りる。事足りて後、空間を夢と仰ぐ。これは昼間の生活か。昼間の生活ならば昼間の生活なりに、夜とは違った驚きと落ち着きがここに招待さるべき、されてしかるべき、とも思うが、どうだろうか。上がったり下がったりを繰り返す空気と風が、気分というものとの類似を一切示さないのには少し笑ってしまった。お構いなしの秩序、そういうものとして存在するのだから、私も疲れという名前で呼ばれてみたらいいのだろうと思う。