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 ふたつのものが何かを待っている。それは、信号でも良い。ぼんやりと、視線のなかで徐々に音が少なくなっていく。ひとつの切り替えを渡し、案内されるがまま、歩行に足るものとなればいい・・・。

 警戒する、それには少し、華やかさが、騒音が、後悔の程度が足りなかったような気がしていて、可能でも、何故か振り返ってはみなかった。固さを恥じ、地面は、地についた足は、そのままぬぶと沈んでいけたらいい。

 号泣を知れ、と、言われたところで、私の知るのはこの当たり前の静けさだけだったから、呼吸が、紛れもなく中心に来るように、それが当たり前であればまた助かるのだと言うように、映るもののことごとくを、しっとりと食んでいた。

 待っているもののうち、私でないものだけが、その距離と快活を、全体の景色として、長く長くみせつけている。あっ、とか、そう、とかの、非情な軽さが、道筋を分からなくさせる。ならば、このままどこかへ行けばいい。

 ひとつのものが、何故か私を待っている。その、地点はどこでもいいのだから、順に、ひどく静かに、崩れ崩れしていく。ここが、どこであるか。何故、私なのか。それを、問えと言っていて、まず、何からだ、という疑問を、その点滅に丁寧に落していける・・・。