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 他に、訊ねなきゃならないこともないなら、ここは一層無口な場所だ。順番に、返答を許して、緊張した空気が夢を見る。

 ひどく騒ぎ立てたばかりの朝、気に入らない循環。大きな声また声を前にして、とっておきの気持ちよさもまだここにいない。

 無関係とも思える、意図した音声以外がうるさく、蹴って飛び、さらい、慎重に撫でて、呼び、話し、内緒事を嘲笑うものたちの間で一気に展開する。

 ここに、もうひとつ映像が現れたなら、感動は一昨日までに全て終わっていたはずだ。いや、事実、無表情に次ぐ無表情の群れの、何に端を発したか分からない歓喜の発作が、かつてそこかしこで見られていたと言うから・・・。

 これは、何かを置いているだけなのだろうか。むろん、そうに違いない。それ以外の何物でもない。ただ、興奮を真っ逆さまに、既に存在しない場所で感じるための、ひと置きでもあるのだ。