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 この僅かな場所を占めるだけで、明るさはまるまる全体にまで及んでしまうのだから分からない。小さな小さな点が、得意なままに錯覚を自分のものとしている。この場所もあの場所も、よく訪ねる一角も放っておかれた何てことはない位置も、全てが暗さだ。そこここは明るくない。照らされているだけだ。それを明るいと言うのだろうが、この場所はいつでも暗さだと考えている方が間違いは少ないのだろう。

 昨日今日に気づかれたことが今ここに現れて出るはずもなく、何をもって理解とするか、それはこのぼんやりした風景からは汲みとれない。今更そんなことに思い至ったか。ただし、タイミングを大事にするかしないかそんなことは関係がない。どこが始まりか分からない動きでヌルっと組み込まれてゆき、出たよという合図もせで、点の点たろうとする努力によりだんだんだんだん小さくなる。見えない、いや、あの見えているものがそれではないか。見做すことだけが重要になった。善意は知らず、そこから一応の続きを見出しているようなのだ。