<572>「暖かいだけの夜、」

 訪れ来るものの気持ちは逸れ、フワフワドカドカ大量の汗と健康の怪。順番に死につつ徐々に立ち上がることども。私もそのなかのひとつ? 大袈裟になって何が良し。これも良しあれも良し。一度こういった度外れの騒ぎのなかに身を置いてみたいと思っていたのだわ。しかしこれだけ混乱の全体なのに、ひとりひとり、

「私だけは関係がありませんから」

という表情でいる。私も例外ではない。これは短い笑いになる。そのひとりひとりの集まりから、何故位置をも見失うような混乱が。その通り誰にも関係していないという妄想の集まりが何より厄介だということだった。

「しかし、では私は何と関係を結んでいるのでしょう?」

それは、数々の不作法、跳躍、回転、あくび、何やらというお菓子、のどかななかでも燃え上がる眼玉そのまたその眼玉、退避、急激な心変わり、熱の調整、おどけ過ぎる人々、大事に大事に取っておいた結果それほどでもなくなるあれこれ、暖かいだけの夜、計算させない色、髪、呆れを通り越した挙措の数々、何やらというお菓子、これだけもらったらこれだけは返すのだよというルールから抜け出したあとのおそらく良いひとり、ふたりに近いもの、ここからでは遠いもの、おひたし、気持ちのなかのポップ、どれ、から、も。