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 私がこの間だけ、全体的に眺める。軽くて、風景は遠くて、悠長なだけ、ぽこぽこ喋って、ふたつの会話だけ、地べたから浮いて、訪ねて、訪ねて、見たことのある間合いがあっという間にここへ戻る。やあやあ、なぜなぜ? あたらしくされるもの、そのされた分だけまた喜んで、いて、いい。ちょっと、呼吸が中断して、窮屈だがそのものが見せるから、止まるにはちょうどよく、ああ、うれし、じゃなし、だけでなし、謎めいて見えるからにはまた笑ってみせる。

 おお、この場合、暴れ出されながらなかなかまたひとつ前のところで待っているのだ、などとは言わない、言えない。誰かがそうしていても、静かに座っていて、だんだんに音が増えていくことや、ぱったりと止んでしまうことなどがどちらも奇妙な安心感を運んでいる。運ばれた先で、私を見るものと言えば・・・。ひそやかに見るものと言えば何か、何かな。