<599>「無照明の回転」

 膨大な場所、あらゆる広さで、そのどこにも私がいないということが分かり、「私」ということは違和感だということ。結局そのなかに入って、しばらく座っていれば、きっとその一部になるのだろうか? さあ・・・。くっきりと浮き出ているだろう、くっきりと浮き出ているだろうその文字を、読むのは決まりだろうか、気まぐれだろうか。

 元からただただこぼれ落ちているだけなのですそうそこに何らの力みもない意図もない。意図もないことを別に喜びにはしなかったが、うぎゃっ、という衝動は内深く、深く潜って、表面上だけの自然現象、機械運動。本当に届けたいもの、それはとりあえずであり、突然の変更であり、和やかな語らいでもある。これは不器用な笑いだ。しかし悲観ではない。回転に、明るさも何も関係ないという、明るさのひとつの形。