<615>「ただ地面に触れるだけ」

 私にとって、これは無言の抗議ではなかった。既に知っていることどもが、半ば気まぐれに、当然の表情でもって。おい、この忍耐は無意味だと知るぞ。しかし、座り込んだ。必要な動きか否か、そんなことは分からなかったが、とにかくにもいくらかのことを視、見留める考えが、興味があったのだ。長い間このままであったのではないのが分かると同時に、このままでどこまでもいくのだという本気ではない想像が全体を重たく支配している。俺は、君に言ったはずだぞ、この同じ道を通って納得させることは出来ないと。もしや、これは協力なのか? 精一杯の、加担なのか? それにしては、寒さが迷惑だと言った。

 取り残すつもりがないだけ余計冷ややかに暮れていって、この場所のひそかな移動と私は、絡まりながら驚いていく。

「誰が、これを難しさだと言って教えるのです?」

どこを見渡しても難しさだけはなかったのだが、それは、無理解から、いや、理解をしようとする試みから来ていた。しかし、理解以外のものは全てこの場に必要であって、理解だけが必要ないのだとしたらば・・・。