<624>「柔らかい皮膚」

 確かめろ、戻れ、ここは渦だ。こんにち、異常に、彼方から顔を覗かせて、いると・・・・・・。

 いると・・・いると・・・いると・・・。

 おとなしいだけの、無くなればならねど、おそろしいほどこれまでが後ろに控えて、いる。さあさあ、遅くない、とて、あたたかい。君が前、求められていたものから、逸れて、逸れて、逸れて・・・。

 場面の音。選択され、あるいは不用意に、あれ壁はいらない。それは、響くから。それなしでも響くから。お互いが、お互いを、見つめて、割れて、おいこの頃、眺め過ぎて何故、流れから床を踏む。これとリズムで、合わせてくれるこのうち、ひたひた進むからには私この台詞とやらが必要で・・・。

「おうい。かたまりの相手をしてくれよ。これから存分に低い、低い行進を、そりゃ見せていくのだから」

 例えば、それがまた、ひとつひとつで知られていると、声をかけ合うものたちだけで何故、不明な、不透明な、粘り強い夢が・・・。

 一度まだ暗い、その底やら、呼吸やらを、確かめさせて、させてまた、

「やわらかい」