<627>「響きが並ばない」

 急なこと。私が安心して笑ったらそれで終わり。考えているようという声音。響き方がいきなりで変わったから? 無能力よ、拒否されるな。たびたび現れて当たり前のことを、二言、三言とこぼしていくといい。なに俺に、これを笑える訳はなく、立場がそっくり入れ替わっちまったとして、かけてもらいたい言葉のひとつもなく、驚くほど冷静であるかと思えば、非常識なくらいに興奮していたりする。ときどき思う、

「反応しろという傾きが何と言ったらいいかうるささであるだけでなく、正しさでもなかったということ」

と。

 俺はどうしてこう歩みを並べるという嘘が嫌いなのだろう。かといって、争い合いたいと思うほどの揺れでない。どうぞ、また、再びその曲げ方までおんなじで、静かで、笑って、なんとはなし招待の動きは見えにくい。遠慮と言うとそんなことないと言って怒るから、これはほんの束の間のストップモーション、そういうことにしておくとする。