<636>

 一度、一応、向き直る人。どちらをも向かない話、極端な話、充分なかかりあいのなかでまた混ぜた。そこだけでもよく見ている人と隣(そうだ、私はよく見ていた)。うきうきしながら、下がっていって見るともなし、見る。およそ当然の影、何やら、簡単な挨拶のち、

「私には分かりません」

などの意味で。

 品とやら、どうであれ、品というものやらを失って、お前でもいーかい、こちらでもいーかい。ゆきがたいことどもの間をゆくと、言葉では何故か、

「うかがいだろうと慎重に食んで戸を揺らす」

となる。なかなかに、良い構造と、いな台詞。

 うそだい、うそだい。何が。例えば急激な雨を踏んだって? それが、あまりにも泣いて、ひとつにまとめるのに役立った。そういう経験が、時折小さなこの部屋を私ごと襲って、予めいくつものことが分からないようにしておく。なるほど順番に、涙を見せたが順番に、そのままを示すのではなかった。

 音がしたので代わりに覗いてみると、あらまあ、普段通りのお話と、相手方の色々。とりあえずに取り出して、みてみたらおい、今度という今度は乱さない。