<658>「慌ただしい体力の、」

 内側から覗いている。たかが、たかが私のことだと静かに動き、開いてよ。またうそみたくうごめいてよ。

「回答のひび割れ・・・」

むしろ、眺めるものとて、あたらしく笑う。今では、ふわふわ、と無警戒にも、適当な湧き立ち、大層なうつろい。

「もともと、もとのこのごだって放されなきゃならない、ことがあったのさ・・・」

誰が混ざり、誰がべったりと、なまあたたか、たわみたいこの頃の場所に、残る

「いや・・・」

わざと残る。お願いはいつしか、肌からも剥がれ落ちてゆくのだが、震動に笑い、震動に和み、なかから、うたぐって通さないだろうことと、数多視線、しせん、しせん、しせん・・・。

 かえって、わずかな欲、やわずかな隙、やわずかな膨らみ、がかさなりかけらもかたわらにないので人は、に限らずとも人は、すやすやとその息を・・・。

「いっぺんに息を、ここでくつがえして・・・」

多分目を剥くのだろう動きの事実、ふざけてふるえてくれるのでなきゃ、私には手に余る一瞬間の、ほんのいちさりげなさと出来事。

 数ある振舞いの、巻き戻し直されたそのあとから、順調な、しかしほうけ放題の、またとない節が出る。ひとつでもでりゃ、ふたつでも、なんとでも、ああまたなんとでも言えと言えども、あわただしさ、ただのあわただしさに遭遇して、仰天するだけの、もちろん体力ではあった。ようだ・・・。