<706>

 どこの場所から顔が現れても不可思議ではないように。どこに暮らすやら考えだけで引きずり回してしまわないように、祈っている、つもり、複雑な向かい合い。割れ、日々は割れ、瞬間には瞬間の言い分があった。渡すだに新しい独特な熱があった。

「今でも憶えているでしょうか?」

 果たして、夢を、いつもの通りに辿って、これは場面の貼り合わせではないと感じる。誰が暮らしたか、音の無装飾な、色のよそよそしさのなか、呼吸さえ無用な、ひび割れの移ろいに付き合ううち、芽生える、必要のないものだけで咲いていて、目の前で揺れる、数だけでも数えていると、いくつかのうち、適当な腕が適当に伸びて襟首を摑む、と、一体、どこからどこまで引き戻されればよいのかが分からなくなって、微笑みから、渋い表情までで、ふたたびのまどろみのなかへ、向かい備えてみる・・・。