<711>「浮く、歩む」

 難しいには違いない話で、夕べに似通う、いつも、可能な限りを説明して、そのほとんどを忘れてくれと願うのには、平凡な、しかし一回きりの来し方があった。触れ合う度笑顔で、逃げ惑う為に、空間は余計に広がった。誰信じる訳でもなく、ただただ広くなる場所にあって、歌声とまずまず移動、まぐれは移動にあって、静止には同じがある。しかも、まぐれを望む気持ちもなく、好転に対しての見解もなく、ただ膨らんだ。話し方とて忘れたと語る笑顔と一緒に膨らんだ。無理もなかった、手抜きもなかった、誰も集中とは呼ばないものだけがあった。それだけで一杯になっていた。何かを出さなければいけないとすれば、やはり決意表明を出していた。外へ出していた。何かを表すことは関係がないと思えたので、うなずいたり、傾げたりを交互に繰り返している。違和感だけで成り立っている、表しただけで消えてしまうような違和感と、全然そうでないもので浮かんでいる、浮き上がっている。浮き上がっているだけ次の一歩のことを、考えやすくなる。