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 おそらく、何耐えている訳でもないと、口を揃えて言うだろう。拍子抜け、するぐらいにあっという間に滑らか、滑り出して、いた。口々に何をか訴えている。不満の原因は何か、明確なようでいて、いまひとつ分からない。いやひとつも分からないのかもしれない。振り向かせようと、状態を変えて、次々に飛び出してゆく。不可思議な色ににじんでゆく。時々思い出して驚く。突然戻してもその後に余計なことが起きるだろうことが分かる。

 あなたにはあなたらしくの血が通っていないのかもしれない。例えば、同じ時を過ごしているはずの範囲で、逆戻り、ほんの遅れが見られる。ちょっとずつ順番に動かなければ、スムーズとは言えなくなるではないか。ひとつの集まりで押し通していると具合が悪い。

 辛抱強く違和感は表明され、違和感を見つめる目は静かである。そこここの所作だけわずかながらうるさくなっていることも、またその視線の範囲内にあって、揺れは、一体こいつはどういうつもりなのかという顔をする。どうというつもりもない。今はただ、これだけの訴えが訴えの形をなさなくなる瞬間の絵を、ぼんやりと眺めるだけなのだ。