<730>「腕の中で無知」

 腕の中で無知、君と仲良く。まだ巻く、肩が向く。どちらも、あるきなきかとともに働く、騒がす。まだ重い、まだ重い。軽さやけによく見えていてひとりそらと浮く。みじめな、みじめな、ときどきだけの声が落ちて、人をひとり、またひとりと吸っている。嘘みたいにあれはまだ、彼方らしさを保つ。それ、どうだ、次から次へ、吐き出されて目的も、方向も頼まず、もう一度同じステップが出来ないとしてもそれで良い、と威勢よく言った。ただ、どこかでそれを練習してきているはずだった。

 例えば大きな声を出す、のっている訳ではない。せいいっぱいの声を出す、のっている訳ではないはずのところ、それは場所だ。しかも、次々に移っていったって平気な。平気さ、誰もが皆そうではないが。平気さ、私には束の間のからが見える。

 見えているだけ、ただ何回も、動いて、知らせてくれるのは普通の、あたたかい出来事。誰が、何を言っても、そこに型があるとは限らなくて・・・。